7.01.2009

Exploited Panama, and unexploited Panama.















今週もビーチ後、くらげ・プランクトンアレルギー反応が体に現れ、痛いわ痒いわで夜眠れないパナマの毎日です。
海に入った後は、体をよく洗いましょう・・

とうとう本日、1ヶ月放置されていたアメリカからの荷物を受け取る事ができました。
郵便局のサービスがものすごく悪いこの国では、荷物が無事届くかどうかは
運次第なのです。とにかく荷物にはカメラのコネクションケーブルを入れてもらっていたので、
写真をとうとうアップする事ができ、幸せです。
















都会の環境は前述のとおり悪いパナマは、田舎に行くとこのとおりの美しさ。
先週は私のスクールの卒業生の家族が暮らす、カリブ海に浮かぶ宝石の島々、先住民Kunaの自治区
San blas islandsを訪れてきました。
ジャングルの中の農耕地など、知り合いがいないと入れないような場所にも案内してもらい、
漁労農耕で暮らしを立ててきた先住民Kunaの今に触れさせて頂きました。

こと私はKunaの刺繍アートMoraに大変心を奪われており、(伝統刺繍が大好きです)
自然をモチーフに自由に表現される世界観の生まれるところを見たいという願望が
叶えられました。
















特にこの時目にしたMoraは息が止まるような精巧な美しさでありました。

例にもれず、近代化に伴ってKuna社会にも変化は否めず、特に一部の島では
”先進的な暮らし”への憧れと閉塞感、伝統の喪失が目に見え、心が痛むものがありました。
それでもまだ、あまり外の手がついていない島では、
たとえばこのようなアートを通じて表現される独自の精神性が保たれていたり、
劣等感ひとつもない生き生きとした
子どもたちを見ることができました。
(私はいつも子どもの表情や行動でその社会を見るのですが、みなさんはどう思われるでしょうか・・)


外の社会とのコンタクトにより伝統的な社会のバランスがいったん崩れると、
社会を立て直す事は大変難しいものと思います。どの先住民社会にも見られる事です。
たとえばHealth careを取ってみると、Kunaの年配の世代の観察を通じて、”原始的”な生活にまつわる
怪我や事故(水難、野生動物との遭遇etc)のリスクがより高かった一方で、食生活や栄養、身体的な健康度は
今のKunaよりも優れていたのではないかと推察されます。(先代から続く自給自足の食生活とハードな肉体労働)
現在はより安全な生活である一方、炭酸飲料とフライチップスが食生活に蔓延し、フレッシュフードのバラエティは
限られ、缶詰等の加工食品が活用されています。

その他、コンクリ製の現代家屋に置き換えられた
伝統的な建築(自然素材)が実はよっぽど気候に合う事、
プラスチックなどの近代的なごみで海が汚染されている事など、社会の変化に応じて生じたマイナス現象の調整が
多々必要に思います。

TVで外の社会が見られる時代に、過去と同じ生活が同じ価値観に基づき継続できるわけではありません。
若者に外に出るな、伝統を守れと押し付ける事は至難の業です。一方で、伝統の暮らしに含まれる労働の喜びや
文化の豊かさ、精神と身体の健康の知恵を伝えるような試みが、どれほどなされているのでしょうか。
Kunaはこと希少性の高い文化を持つ民族ですが、Kunaの人の話を聞くにつけ、驚くほどに伝統の承継に対する
サポートがされていません。

自分の社会のオリジナリティと、
外の社会の文明・科学・価値観を踏まえた上で、
バランスの取れた地域社会経済のイメージを持つ事がポイントではないでしょうか。

ところで昔の暮らしに近しい生活を送ってみると(水汲み洗濯漁労採集などなど)、
水道電気ガスなどのインフラや生活を支えるマシーンが当然のように使える現代社会
の”ありがたさ”に気づかされ、一方で”発展”しすぎた社会の無駄や地域独自の知恵の損失に目がいきます。

個人的には、適度に生活条件のよい(水とガスと電気があって(ガスと電気は自然エネルギーで確保可だから、
水道が地下か川から引ければよし。)風土病が少なく、気候厳しすぎず、インターネットにちゃんと
つながる。)、かといって便利すぎず、原始の自然の力が残っているような場所での田舎生活が、脳と体と精神のバランス上一番いいなぁと思っております。 そんな場所、あるかい!と思われましたでしょうか・・