5.07.2010

The Coveと国際社会における日本

日本では公開されているのでしょうか?

世界中で大話題のドキュメンタリー The Cove。

日本では発禁なのでしょうか、やっぱり。

最近までこの映画を知らなかった私は、友人一同がやたらと口を揃えて”日本人はいるかをぶっ殺して食っているらしいが一体どういうことだ”と迫ってくるのを、ぴんと来ずに一方的に聞いておりました。

ごらんになった事のない方はぜひとも観る機会を作ってください。

いるか・くじらの人?権・種保護自体の問題もさることながら、この問題における日本の国際社会での大いなるずれ具合がよく分かると思います。また日本のメディアがどれだけ操作されているかも注目ポイントです。
おそらくこの問題の裏側にあるだろう日本の裏社会も垣間見えるように思います。

ストーリーとしては、和歌山県太地町の一部の猟師が行なっているいるか大量輸出(世界中の水族館へ)と追い込み漁による大量殺戮>精肉 への過程がまざまざと描かれています。いるかの愛らしい笑顔に親しみを感じる方であれば、相当なショックを受ける現実を目の当たりにさせられます。


日本でこの映画がどう受け止められているかと思い、ネット検索したところ

-日本の文化に口出すな

-牛や豚も殺しているのに高等生物だから殺したらだめとは西洋文化の押し付けだ。

-いるかが養殖や漁業に被害を出すから殺して当然

こういった西洋対東洋、文化尊重、地元尊重の意見が多いようです。

実は文化尊重の意見に関しては、私も日本を出るまでは基本的姿勢として持っていました が。

国際社会に大きく依存する日本がその中で生き残っていく上で、世界のルールは話し合いで決まる事。よって”おれさまの領域に手も口も出すな”のような一方的な議論がもはや通用しない。

という事をようやく外に出て痛感するようになった私としては、

一部の利権を文化と称して保護する事により、国際社会から批判を食らう日本人。総すかんを食らうという事が日本の将来に今後どういう意味を持つのか、一体本当に分かっているのか、たぶん分かっていません。

と言いたい。+日本という国の国際観の欠落に、相当な危機感を覚えてしまいます。

そもそもこれだけ文化が変化している中で、どうしても守るべき貴重な文化と言えるのでしょうかね、いるかの追い込み漁と捕鯨が??あるいはいるかの追い込み漁がないと成り立たない漁業が?
文化という言葉が、国際化した社会の中で水戸黄門の印籠と化しているのではないでしょうか。
もうそもそも論を突き詰めると、日本の英語教育がひどすぎて、海外の議論が国民・知識層に伝わらない。留学等しても同等の英語力を持って帰る人が少なすぎる。こういう事も大きいと思います。

いるかが虐殺されている という事に対し、何ーーーにも感じない人間と何かを感じる人間がいる。
これは越え難いセンシティビティの問題があります。

損得で考えて、日本国にとって百害あって一利しかなし(一部の強大な利権) の
日本のいるか漁・調査捕鯨。

政策決定者の長期的視点に立った理性が、先に走って欲しいと祈りつつ、Conservationistとしては自分ができる事をしっかり考えます。